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第41回日本歯科薬物療法学会学術大会

大会長挨拶

歯科医療SDGsを目指したイノベーションを発信する大会へ
– ONE TEAMとしての門出 –

第41回日本歯科薬物療法学会学術大会会長
李 昌一
神奈川歯科大学健康科学講座災害歯科学分野 教授

 第41回日本歯科薬物療法学会学術大会を第24回日本歯科医学会学術大会の併催学会として担当する李 昌一でございます。会員の皆さまもご存知のように2019年中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に翻弄され、世界の今までの価値観が音を立てて崩れていき、私たちの日常を激変させました。第24回日本歯科医学会学術大会がオンライン学術大会として開催されることが決まりましたので、今回の本学術大会も第40回同様にオンライン開催とさせて頂きます。

COVID-19が我々に襲いかかってきたことは確かに危機でありますが、これまで何度も感染症との闘いを乗り越えてきた人類は、今度もまたこの新型感染症を乗り越えることができるかもしれません。しかし、COVID-19が今までの人類のことのみを考える限界を教えてくれたことは事実ですし、経済界でも利益追及のみを考えるのではなく、地球環境改善を含めた持続可能な開発目標(SDGs)の考え方がグローバルに急速に広まっています。翻って歯科界も当然歯科医療のSDGsを目指したイノベーションが必要であることはご理解頂けることでしょう。

 このような危機的状況をさらに打破するためにも、第41回学術大会では、新型ウイルス感染症へのエビデンスの発信を歯科界の感染対策リーダー学会である本学会から発信する必要があります。この趣旨からすでに第一、二報にお知らせしたプログラムを企画させて頂きました。さらに歯科医療のSDGsには本学会が必要不可欠な学会であることを、今こそ会員の皆様方にご理解頂けるような大会にしたいと考えています。是非とも、奮ってご参加頂きますよう心よりお願い申し上げます。院内感染対策、AMR(薬剤耐性)対策、産学連携を含めた適応外薬、ドラッグ・リポジショニング、漢方薬、オーラルヘルス製品開発などの新しい歯科薬物治療と基礎科学エビデンスに基づいたシーズによる創薬、これらすべて歯科医療のSDGsには本学会の存在が必要であるはずです。危機の時は変革するチャンスの時です。このような時だからこそ、皆様と一緒の船に乗り、歯科医療のSDGsのイノベーションの旅を「ONE TEAM」で一歩一歩歩んでいきたいと思います。前回のラクビーW杯でキャプテンとして「日本の顔」になったリーチマイケルが「ONE TEAMと言っても、一夜にして出来るものではないですよ、バックグラウンドの違う相手を受け入れるところからチーム作りはスタートした」と言っているように、私たちも松野新理事長をキャプテンとして、歯科医療イノベーション発信学会としてお互いの研究、臨床分野のバックグランドのみに拘ることなく、「ONE TEAM」としてスタートする先駆けとして第41回学術大会を開催したいと思います。重ねて会員の皆様方にはご参加頂き、今後も本学会にご協力頂きますよう、心よりお願い申し上げます。